「食べる」を支える仕組みを知ることから
こんにちは。本山歯科医院です。
先日開催された食支援の勉強会では、
「摂食嚥下障害の気づき方」をテーマに研修を行いました。
私たちは普段、何気なく食事をしていますが、
「食べる」という動作は、食べ物を認識し、
口へ運び、噛み、飲み込み、胃へ送り込むまで、
多くの機能が連携することで成り立っています。
そのどこか一つでも機能が低下すると、
食事がしづらくなったり、
誤嚥につながったりすることがあります。
今回は、「食べる」過程を5つの段階に分けて考え、
それぞれの段階で現れる変化や、
日々の診療で気づくための視点について整理しました。
普段何気なく行われている「食べる」という動作には、
多くの身体機能が関わっていることを
改めて実感する機会となりました。
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食事は始まる前から始まっている
まず確認したのは、食べ物を認識し、
口へ運ぶまでの「食べ始める前」の段階です。
食事を前にしても食べ始められない、
ぼんやりしている、食べ方が分からない様子が見られる、
姿勢が崩れているなど、
一見すると嚥下とは関係ないように思える変化も、
実は食べる機能の低下につながる大切なサインです。
認知症や神経疾患、身体機能の低下など、
さまざまな要因が影響することもあり、
食事が始まる前の様子を観察することも
重要な視点であることが分かりました。
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「噛む力」の変化は日常生活に現れる
食べ物を口の中で噛み、
飲み込みやすい状態にする過程では、
歯や入れ歯、舌、唇、唾液など、多くの口腔機能が働いています。
食べこぼしが増えた、硬いものを避けるようになった、
食事に時間がかかる、口の中に食べ物が残るなどの変化は、
普段の食事の中でも比較的気づきやすいサインです。
また、入れ歯が合わないことや口腔内の痛みも、
食事量の低下につながることがあります。
こうした日常の小さな変化が、
口腔機能の低下を知らせる
大切なサインになることを改めて再確認しました。
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飲み込みの変化から見えてくること
噛んだ食べ物を喉へ送り込み、
安全に飲み込むためには、
舌や喉の筋肉がタイミングよく働く必要があります。
飲み込むまでに時間がかかる、何度も飲み込む、
食後に口の中へ食べ物が残る、
食事中や食後にむせる、声がガラガラするといった症状は、
飲み込む機能の低下を示している可能性があります。
一つひとつは些細な変化でも、
その積み重ねが摂食嚥下障害の早期発見につながります。
日々の診療や口腔ケアの中で、
わずかな変化を見逃さないことの大切さを改めて感じました。
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食後まで気を配ることが安全につながる
研修では、食べ物を胃へ送り込む食道の働きについても学びました。
胸焼けや喉のつかえ感、
逆流などは食道機能の低下が関係している場合があり、
食後すぐに横にならず、しばらく座った姿勢を保つことが、
逆流や誤嚥の予防につながります。
食事は「飲み込んで終わり」ではなく、
食後の姿勢や過ごし方まで含めて支援することが、
安全に食べ続けるためには欠かせないことを再認識しました。
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小さな変化に気づくことが「食べる喜び」を守る
今回の研修を通して最も印象に残ったのは、
摂食嚥下障害は「むせる」だけで
判断できるものではないということです。
食事時間が長くなった、柔らかいものを選ぶようになった、
食べこぼしが増えた、口の中に食べ物が残るなど、
一見すると加齢による変化と思われがちな小さな変化にも、
多くの重要なサインが隠れています。
訪問歯科診療では、患者様と継続して関わることができるからこそ、
その変化にいち早く気づくことができます。
歯科医師・歯科衛生士だけでなく、
ご家族や介護スタッフ、多職種と情報を共有しながら、
一人ひとりが安心して「食べる喜び」を
続けられるよう支援していきたいと考えています。
今回の研修を通して、
摂食嚥下障害は「むせる」だけでは判断できず、
日常の小さな変化に気づくことの積み重ねが、
安全に食べ続けるための第一歩であることを改めて実感しました。
今後も継続した学びを日々の診療に活かし、
患者様がいつまでも安心して食事を楽しめるよう、
多職種と連携しながら食支援に取り組んでまいります。
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